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餃子

その店は工場地帯のバイパス沿いでひっそり佇んでいた。

客が入りづらい立地なので客寄せ企画としてこの企画を思いついたのだろう。

中学生のころ近所のラーメン屋で餃子を30分間で60個食べたら3,000円がもらえるという噂を聞きつけ俺たちは色めき立った。

普通サイズの餃子を60個なのでいけそうだと思った。制限時間は30分もある。

「勝った」...。こっちは食べ盛りの中学生だ、負けるわけがない。

中学生たち4人はこのことをクラスのみんなに秘密にした。もちろんチャンピオンになった後で自慢するために。

 

或る休日の昼に猛スピードを出して走る車を避けて4台のチャリンコが走っていた。

4人で一万二千円か...。少し店に申し訳ない気持ちになったが勝者がいれば敗者もまたいる。仕方のないことだと自分に言い聞かせた。

すすけた店の扉を開けるとねじり鉢巻をした店主のおやじの他に客はなく、俺たちは4人掛けのテーブル席に座った。

壁に例のチャレンジ企画の貼り紙を見つけると、白々しく「へ~こんなのやってるんだ~」と大きな声を出して挑戦を匂わせた後「俺やってみようかなぁ」「面白そうだなぁ俺もやってみようかなあ」などと口々に言っているとカウンターの向こうからねじり鉢巻が出てきて「やってみるこれ?」と顎を張り紙の方に向けてしゃくった。

 

240個の餃子を焼くには時間がかかったが腹を空かせるにはちょうどいい時間だった。

奥さんらしき人が出てきてあつあつ出来たての餃子を運んでルールの説明をしてから時計のアラームをセットして勝負が一斉にスタートする。

熱くて時間がかかると読んで二人が餃子を解体して水をぶっかけて食べ始めたが、美味しく食べたいリーダー格と俺は普通に餃子のたれをつけて食べ始めた。「お前らバカだな~、こうした方が効率が良いんだよ」解体チームは勝ち誇ったように言った。

焼きたての餃子をはふはふ言いながらも余裕で10個ほど食べ進めて周りを見た。

解体チームは何個食べたのか分からないがぐちゃぐちゃの餃子を口に放り込んでいた。

15個...余裕。ニンニクが効いて美味しい。

20個...まだまだいける、時間も余裕。

30個...ここで半分か、白米がほしい。

 

...世界タイトルマッチ12ラウンドを戦って敗れたボクサーみたいにボロボロでうなだれていた。結果は1人がドロー、3人が負け。

「今日のことは内緒にしようぜ」重く気だるい空気の中、リーダー格が沈黙を破った。

敗北感に包まれながらぼんやりとした記憶を辿ってみる...

試合は壮絶な展開になった。

37個目あたりで突然1個が5個に感じ、38個で10個に感じ....箸が止まった。

ダメだやばい、変な汗が出て酸っぱい臭いが身体の内側からしてきた。

このピンチを乗り切るんだ、なんとか耐えるんだ....なんと...

ごぼごぼごぼ..地底から何かが湧き上がるような音のあと「オエエエー!!!」予告なくテーブルにぶちまけた。

「キャー!!」奥さんが驚いて悲鳴をあげる。堪ったもんじゃないのは解体屋チームだ。皿の上の物体とテーブル上の同じような物体が混然一体となって強烈なニンニク臭を放つ。嗚咽に耐え涙を流しながらもファイティングポーズをとり続ける。

哀しい解放感を感じながらも目の前の光景が夢に思えてきた、いや夢であってくれ...

残りの10分を俺は覚えていない。アラームが鳴って制限時間の30分が過ぎた。

                     

視線を感じて振り向くと鉢巻が憐みの表情を浮かべながら、全部食べたらタダにしてやると言ってくれた。

だが、本当の地獄はここからだった。

想像してみてほしい、もはやこれは食事ではなく拷問に近い。

チャンピオンになってクラスのみんなに自慢するはずだったが1人は完食して支払いなし、3人はそれぞれ罰金3,000円を払って俺たちの夏は終わった。

いまでも餃子を食べると苦い記憶が胸によみがえる。

 

1. 国分寺周辺エリアの餃子大食いチャレンジ

国分寺からアクセスしやすい立川市や、都内各所にあるチェーン店で挑戦可能です。

  • 屋台屋 博多劇場(立川店・府中店など)

    • 内容: 鉄鍋餃子100個(総重量 約1.5kg)を60分以内に完食。

    • 特典: 成功で代金無料 + 「次回から使える年間餃子パスポート」進呈。

    • 備考: 要予約。一口サイズなので比較的食べやすいと言われていますが、鉄鍋なので熱さが強敵です。

  • 餃子酒場さんくみ(立川)

    • 内容: 過去に「巨大餃子16人前」などのチャレンジ企画や、ランチタイムの「唐揚げ食べ放題」など、大食い・デカ盛り企画を頻繁に行っている居酒屋です。

    • 住所: 立川市曙町2-30-1

2. 国分寺市内のデカ盛り・ボリューム店(餃子あり)

「時間制限付きのチャレンジ」ではありませんが、国分寺で餃子やガッツリ飯を楽しみたいなら外せない名店です。

  • 寅”むすこ食堂(どらむすこ食堂)

    • 特徴: 国分寺の学生に愛される超デカ盛りの聖地です。

    • 餃子: ここの焼き餃子は、一般的な餃子の2倍以上ある「1個50g」という巨大サイズで知られています。チャレンジ企画はありませんが、単品でもかなりのボリュームです。

    • 住所: 国分寺市本町3-5-17

  • 伝説のすた丼屋(国分寺店)

    • 特徴: 国分寺発祥のガッツリ飯。

    • 企画: 「大盛りチャレンジ」を実施していることがあり、約1kgのすた丼を20分以内に完食すると一部返金される企画が有名です。サイドメニューの餃子と一緒にガッツリ食べたい時に。

3. 【番外編】都内の超有名チャレンジ店

少し離れますが、餃子大食いの「聖地」といえばここです。

  • ぎょうざ会館 磐梯山(両国)

    • 内容: 男性100個(60分)、女性50個(30分)完食で無料。

    • 備考: 3日前までに要予約。失敗時の支払いは8,400円(男性の場合)程度。